2013年7月2日火曜日

2013 その7 CP4~CP5 8.7km

第4CPにようやくたどり着くと、温泉の玄関で妻と息子が出迎えてくれました。妻は絵を描いていたようです。

「うーん、無理かも」リタイヤするつもりだったのに「かも」に変わっています。リタイヤするとは切り出せない。
「ちょっと考える」
「えーっ。リタイヤしても寝るところないよ」
「リタイヤしたら、家に帰る」
「えーっ・・・・」

ICタグでチェックを受けます。

いつもはその後真っ直ぐビニールハウスの中で豚汁をいただくのですが、身体が熱をもっていて暑いので、身体を休めつつ、放冷。
涼しくなってきたところで豚汁とおにぎりをいただきます。参った身体には少し量が多かったかも。でも頑張って食べました。「ごちそうさま」を言って、外に出て、マッサージを受けることにします。

今年最初のマッサージをしていただいた方は年配の方でした。スタッフの方の「大丈夫ですか」の問いかけに「(大丈夫)」という仕草をして私のマッサージを始めていただきました。去年は5時間もぶっ続けでマッサージをしたそうです。ヒザは痛かったのですが、我慢してフルメニューを受けました。やっぱり、極楽です。マッサージが終わってからおずおずとサンクスカードを渡しました。裏にゼッケン番号が書いてるのを見ると「いい番号だよ」と励ましていただきました。

マッサージのテントから出ると、寒い。それに霧が出ている。車で足の手入れをすることにして駐車場に向かい、家族が待つ車にたどり着いたときには、何と身体ががたがた震えているほど。(体調異常か!)と思いましたが、車中の妻も「寒くなってきたね」と言っているので、私だけではないようです。

車の中は、シートを倒して隙間に色々なものを詰め、完全に車中泊体制。うーん、これから家に帰るというのはつらいかも。

「考え中」といいながら靴下をぬいで、足にボルダースポーツを塗りなおし、新しい靴下に履き替え、流れはウォーキング継続の流れ。でもベッド状態になったシートの上で足の手入れをしているとそのまま横になって眠れたらいいなぁって思います。持っていた息子の荷物をザックから出します。

「子どもの分まで頑張んないと。大丈夫だって」
「お父さんなら、歩ける」
文章で書くと暖かい励ましの言葉に聞こえますが、リタイヤしても私の寝るところはなく、かといって家に帰るのも車内を片付けるのが大仕事、といった状況では何となく「追い出し」の言葉に聞こえます。でも
「行くか。夜歩くの楽しいし」
といって、私は第5CPに向かうことにしました。

歩き始めてやっぱりちょっと後悔。体調はもう100kmウォークを終えたときのような状態。これからまだ半分近くあるなんて。第5CPまで行って、リタイヤしよう。
霧の中とぼとぼ歩きます。妻と息子からもらったヘッドランプを色々試します。このヘッドランプは赤い光がつきます。白い光だと目がその光に慣れてしまって、暗いところが見えなくなってしまうのですが、赤い光だと暗いところも見えるのです。赤とか白とか試しながら歩きます。このヘッドランプは前から欲しかったものなので本当に嬉しい。
何とか一つ目の橋まで来ました。結構他の選手がいます。追い抜かされたり追いついたり、それが励ましになります。

三つ目の橋を渡る頃には、歩くペースは遅いものの、何とひざの痛みがそれほど苦ではなくなってきました。もちろんツエは必要ですが。歩く気力が湧いてきたのです。やっぱり誰かと歩くっていうのは、喋らなくてもお互いに何かリンクしながら(つながりながら)、歩いているものなのですね。
そうなると鳥の声を聞く余裕も。すごく高くてきれいな声が聞こえるんですよね。まだ暗いのに。
ナイトウォーク結構好きなんです。100kmウォークのときは辛いんですけどね。

第5CP到着 時刻不明 夜中の1時頃だったろうか。

2 件のコメント:

  1. ふれ愛の里直前ですれ違ったときのリタイヤ宣言から気持ちを持ち直したのが凄い!他のチェックポイントならリタイヤを踏みとどまることもあると思いますが、ふれ愛の里でなら強い精神力の賜物ですね!(仮に家族の追い出し?だったとしても)

    皆さん、幾度となく訪れる山場を乗り越えながら歩いる。その山場を乗り越えるのが100キロウォークの醍醐味なんですよね。歩いている最中は痛い・辛いばかりですが、終わってみるとそれもいい思い出ですよね。

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    1. あれはまさに家族の追い出しでした。「いまさらリタイヤされても困る」という心の声が感じられました。

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